Rover Crew, 5th Setagaya

Rover Scout's Essays

Apr. 2017:新しい世界に足を踏み入れること

新しい世界に足を踏み入れる、それはとても勇気のいることである。なぜなら新しい世界、すなわち自分にとって未知の世界に対して、私たちは不安を感じるからだ。

しかし、いや、であるからこそ、私たちはどんどん新しい世界に踏み出していくべきだと私は考える。その理由を、ここに書こうと思う。

私たちの周りには色々な「世界」があるが、それらは外から見たときと中から見たときとで大違いなことが多い。私は大学受験において2度のチャレンジ、つまりいわゆる浪人生を経験した。浪人をしたことが無い人や大学受験に縁がなかった人にとって、浪人のイメージは決して良いものとは言えないだろう。

去年の私も例外では無かった。

浪人が決まった瞬間はまるで人生が終わったかのように思えた。しかしそれは、浪人生という「世界」を知らなかっただけに過ぎなかったのだ。美味しいご飯を食べたいと思うし、眠い日もあるし、サッカー日本代表の試合を観ることもある。普通の生活の延長に勉強があるだけで、勉強で行き詰まることはあっても想像していた息苦しい生活では無かった。浪人生の「世界」が悲惨に思えたのは、私が勝手な想像をしていたからに過ぎなかったのだ。

ボーイスカウトは私達が新しい「世界」に踏み入れるのを後押ししてくれる。少年や青年にとっての「世界」は学校とその他少しの習い事がほとんどで、それ以上にバラエティに富んだ展開をすることはなかなか難しいけれども、ボーイスカウトに入団することはそれ自体が新しい「世界」の獲得である。

そしてそれ以上に、ボーイスカウトで経験を積むことは、さらに豊かな「世界」の獲得につながっている。キャンプ活動を通してアウトドアをする、清掃奉仕を通して社会に貢献する、班活動を通して人を助ける、何気ないボーイスカウトの活動が自分の世界を知らぬ間に広げていることに、ローバースカウトになった今気付かされる。ボーイスカウトに入っていなかったならそれらは知り得なかった「世界」かもしれない。知らない「世界」を外から想像し決めつけることは非常に愚かで、大変にもったいない。

新しい世界に足を踏み入れること。少しの勇気と実行力さえあれば、その1歩は踏み出せる。難しいと思うのはその「世界」を知らないからだ。

あなたがもしボーイスカウトに入団しているのであれば、その1歩の踏み出し方は既に知っているはずだ。積極的に新しい「世界」に踏み出そう。知らない事を知る、という事がどれだけ素晴らしい事かは、振り返ってみた時に気付くはずだ。

ローバー隊 神田貴史