Rover Crew, 5th Setagaya

Rover Scout's Essays

Aug. 2017:逃げること

私は、カブスカウトのクマから始めて8年ほどスカウトをしている。他のローバー隊のメンバーも書いているが、私も18歳という年齢になって最近、ボーイスカウトをやっていて良かったと心の底から思うことがあったので、それをここに書く。

私の最大の欠点は逃げることだ。今まで色んなことから逃げてきた。勉強や部活から逃げてきた。ボーイスカウトからも逃げたことがある。だがそんな私でも、たまにボーイスカウトに行くと、リーダーやスカウトの仲間は快く迎えてくれた。

勉強、少なくとも受験勉強は、逃げた者に対して客観的で公平なジャッジをしてくる。逃げた者にとっては、それは主観的にとても冷酷に見える。

部活は、練習から逃げた者に対して厳しい。それは、試合とかコンクールのような、明確に結果が出るものを目標にしているからだ。あるいは、中学や高校の場合、3年間という短い時間しか与えられていない、ということもあるのだろう。

対してボーイスカウトは、ある意味おおらかで、そしてゆったりとしている。悪く言えば不公平で、ダラダラと続けられる。一方では、普段の活動やキャンプを盛り上げるためにとても頑張るスカウトがいる。他方、それほど頑張らずにおいしいところを持っていくスカウトもいる。もちろん厳しいところはあるけれど、その厳しさは学校の勉強や部活とは違う方を向いているような気がするのだ。だからこそ、私はボーイスカウトを続けられたのだと思う。

そんなことではいけない、と思う。誰も頑張らなかったら、ボーイスカウトは成り立たないことも分かっている。だから、ここで私が書いたことは、頑張っている人からすれば甘えであり、開き直りに違いない。その前提の上で、しかし私は言いたい。ボーイスカウト世田谷第5団が逃げ場所になってくれて、本当に嬉しかった。

今これを書いている私は、カナダに住んでいる。これも進学と就職から逃げた道だ。だが来るまではとても悩んだ。カナダに来るということは即ち、スカウト活動が出来なくなるという事だからだ。スカウト活動は私にとって日常から離れられる憩いの場だったから、参加出来なくなることは本当に辛かった。だが、また絶対に戻ってくると決めて、私は今カナダにいる。

私がカナダのハウスメイトと買い物に行った帰りに、ある幼稚園の敷地でフリーマーケットをやっていたので、少し見てみようと立ち寄った。するとそこに、活動中のカナダのボーイスカウトが居た。私は驚いたのと同時にとても嬉しくなった。

そこに居た1人のスカウトに話しかけた。私も日本でボーイスカウトをやっているので、カナダでスカウト仲間を見つけられて本当に嬉しいと伝えた。そしたらそのスカウトも日本のスカウトを見るのは初めてだったらしく、お互いのスカウト活動についての話で盛り上がった。その時間はカナダに来て、また、ボーイスカウトを続けていて、心の底から良かったと思った瞬間だった。

8年のスカウト活動を振り返って、色々なことを想う。反省もしなければならないし、成長していかなければならないとも思う。まずはカナダで、あのフリーマーケットで湧き上がった気持ちを胸に、ボーイスカウトに誇りを持って生活していきたい。

ローバー隊 笈田弓生