Rover Crew, 5th Setagaya

Rover Scout's Essays

Sep. 2017:ゲームを作る側

"平成29年度世田谷第5団発団65周年記念キャンポリー"、この文字列は私の脳裏に今も様々な情景をよぎらせる。ボーイスカウトの5年に1度の大規模な行事が、私の2017年夏の思い出の数十ページを埋め尽くした。

まず、半年以上前からキャンポリーの準備をしてきたリーダーの方々、育成会のみなさん、そしてローバー隊の仲間に「お疲れ様でした」と言いたい。キャンポリーを終えた瞬間、嬉しさよりも安堵する気持ちがこみ上げてきたのを覚えている。とにかく、大変だったのだ。

とは言え、キャンポリーが終わって3週間が経った今、嬉しさが徐々に増してきている。多くの仲間と共に1つのことに取り組んで成功させた喜びは、ジワジワと何かがこみ上げてくるようであり、また同時に少しこそばゆくもあり、何とも言えない感情である。

ふと、自分がボーイ隊だった時のことを想う。キャンプや山登りなど、楽しい活動ばかりだった。しかし今から考えると、それはリーダー達が活動場所や活動内容を計画し、私達がそれを計画通りに行うということであった。「ゲーム」を作るのはリーダーで、スカウトは「ゲーム」の単なる「プレイヤー」であった。

もちろんボーイ隊にも、班キャンプなどスカウトが主体的に「ゲーム」を作る側に回る活動内容はある。いやそれどころか、ボーイスカウト活動は本来的にスカウト自身の自主性が駆動力である。

しかし、ボーイ隊のスカウトが作るのは、あくまで自分達のための「ゲーム」であった。今回のキャンポリーにおける私達ローバー隊の役割はそれとは違う。私は初めて、他人のための「ゲーム」を作る側になったのだ。

ミニゲーム、キャンプファイヤー、宝探しなど、色々な「ゲーム」を計画することになった。単にこれらを淡々とこなせば良いというものでは無い。いかにスカウト達の一体感を演出し、没入感を引き出すかがカギである。怪我などに対しては責任を持たなければならないし、想定外のことも起こるかもしれない。様々な不安があった。にも関わらずキャンポリー運営をやり遂げられたのは、ローバー隊の仲間と一緒だったことはもちろんだが、もう1つ、今やっているアルバイトの経験が大きかった。

今のアルバイトでは子供達と関わることが多い。彼らと触れ合うときのポイントは何か、アルバイトを通して学んだ結果、以前と比べて子供達とコミュニケーションを取るのが楽しいと思えるようになっている。さくら2017年3月号アルバイトではボーイスカウト活動の経験がアルバイトで役に立ったことを書いたが、今回は逆にアルバイトの経験がボーイスカウト活動に役立ったのだ。

キャンポリー本番は天候がずっと不安定だったが、普段交流する機会の無いビーバースカウトやカブスカウトとたくさん関わることが出来て、天候など気にならないほど楽しい時間を過ごせた。それは、アルバイトの経験が私の心の状態を準備してくれていたからだと思う。

今回痛感したのは、作られた「ゲーム」(=計画)をそのまま実行するのと、「ゲーム」を作る(=計画する)のとでは、苦労に雲泥の差があるということだ。リーダー達の苦労には本当に頭が下がる。しかしそれと同時に、「ゲーム」を作る側の喜びも知ることが出来た。卑近な例だが、スカウトの皆も良くやるであろうテレビゲームだって、単にそれを遊ぶプレイヤーと、それを作るクリエイターとでは、全く異なる楽しみや喜びがあるのだろうと思う。その中でも、何かを創り出せることの喜びは大きいだろうけれども、私にとっては自分が作った「ゲーム」でスカウト達が楽しんでくれたということの方が嬉しかった。彼らが盛り上がっているのを見て、「ゲーム」を作る側になるのも悪くないなと思えたのだ。

ローバースカウトの年齢は、「ゲームプレイヤー」から「ゲームクリエイター」へのシフトを進める段階だと思う。アルバイトは、学生というインプットする側から社会人というアウトプットする側への移行の練習場所だとも言える。その意味で、今回の経験は、今後ますます活かせる機会が増えていくだろう。

次のキャンポリーがさらに良いものになるであろうことを楽しみにしている。

ローバー隊 山根徳仁