Rover Crew, 5th Setagaya

Rover Scout's Essays

Sep. 2018:ジャンボリーが押してくれた「やる気スイッチ」

7月31日。スカウトたちよりも一足早く,私の初めてのジャンボリーは始まった。配属は売店部。去年のキャンポリー同様に裏方としての参加である。

売店部の仕事内容は簡単にいうと次の通りである。まずは店舗の設営・品出し・陳列といった準備作業から始まり,ジャンボリー期間中は店員として記念品を売り続け,ジャンボリーが終わると店舗を跡形もなく片付けた。割とハードな仕事だったが,かといってすべての時間を仕事に費やしたわけではない。シフト外や営業時間外は基本フリーだった。開会式も大集会も閉会式も,売店部の仲間と会場の外から見たのは大いに盛り上がった。それ以外にも夜の海で花火をやったりして,忙しさも楽しさも味わう非常に印象に残るジャンボリーだった。

ただジャンボリーが始まるまでは,正直に言って行くのが少し憂鬱だった。早く終わらないかと思ったりもした。なぜなら,裏方としてただひたすら仕事をこなすだけの過酷な2週間だとしか思っていなかったからだ。

しかし今は違う。2週間でも短すぎたとさえ思う。それだけジャンボリーは充実していた。

売店部での仕事やイベントを通じてさまざまな他団のローバースカウトと交流できたことが,最も嬉しかった。

東京の他地区だけでなく,北海道・千葉・愛知・大阪など,初めて全国にボーイスカウトのつながりができたのだ。今まで自分の活動してきた場はどれだけ狭く小さいものだったかを,身をもって実感した。

これまでの5団のローバー隊は他団との交流に積極的でなく,このような交流はできなかった。これを機に,これからのローバースカウトとしての活動では,自団で小さく活動するだけでなく,視野を広くもって規模の大きな活動やキャンプに飛び込んで,積極的にもっと多くの仲間をつくっていこうと決意した。

その最初の一歩として,私は10月に行われるアメリカキャンプに参加する。今までの自分であればあまり興味を持つこともなく,参加の検討すらほとんどすることなく終わっていただろう。しかし全国に仲間が増えていく喜びや重要性を知った今,何の抵抗もなくキャンプに参加したいと思えたのである。

今回のジャンボリーを通して自分の中で大きく変わったのは以上の点である。それは「仲間内で楽しむ」ことから「積極的に自分の知らない世界に出ていく」という意識の変化である。この「積極性」を忘れることなく,これからも新たな世界へ飛び込んでいきたい。そして世田谷第5団のローバー隊を,もっとグローバルにしたいと思う。

もう1つ,売店部の仕事に大きなやりがいを感じられたことも,今回のジャンボリーの充実につながっている。

特にそれを感じたのは,売店部の営業最終日。ほとんどのスカウトが,売店で買ったであろうネッチリングやハットなどの記念グッズを身につけているではないか。そしてみんなが満面の笑顔で歩いているのだ。その光景を目にしたとき,スカウト一人ひとりの大切な思い出づくりをサポートできた,という実感が湧いた。

しかもそれが9000人分である。9000人ものスカウトの思い出の一部に関われたのである。これは参加隊のリーダーとしての参加ではできなかったことだろう。去年のキャンポリーも相当大掛かりなことをやったと勝手に思い込んでいたが,今思えば参加者は100人ほどであった。それに比べて参加スカウト9000人以上という圧倒的に規模の大きいキャンプに,少しでも力を添えることができたのである。そういった意味で,売店部の奉仕を通してジャンボリーに貢献できたことは,他の何にも代えられない,非常に貴重な体験となった。

裏からイベントを支えることで得られるこの感動を,以前ボーイ隊の神田副長は「クセになる」とおっしゃっていた。この感動を体感したのは去年のキャンポリーに続いてまだ2回目であるが,なるほど確かに,少しクセになりつつある。「楽しませることの楽しさ」に気付いてしまった。スカウトをより一層楽しませるほどに,自分たちも楽しくなる。そう思って,これからもリーダーや裏方として活動しようと思う。

ここまで,今回のジャンボリーをきっかけとした2つの決意を綴った。これらはどちらも「自分次第」だと思っている。自分が積極的に外部のキャンプなどに参加すれば,より多くの仲間がつくれる。自分がスカウトたちを楽しませる役割をこなすほどに,より大きな達成感が得られる。そのことはベンチャー隊に入る頃から,周りの人から言われてなんとなく分かった気でいた。しかし分かった気でいながら,なかなか実践しようとしてこなかった。

しかしジャンボリーが終わった今,ボーイスカウトに対する意識が変わり,今更ではあるが,それらを実践する決心がついた。自分の中の「やる気スイッチ」が押されたのである。

そしてそのやる気を保持するためにも,今後の活動では,大きな外部のイベントへの参加とリーダーとしての奉仕を,両輪で回していこうと思っている。

ローバー隊 清水虎之介