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2018年4月28-30日(土-月)

17NJ訓練キャンプを終えて

180428-30_ジャンボリー訓練キャンプ →この活動のアルバムへ移動

ここまで見事に晴れたことがかつてあったでしょうか? そう言いたくなるほど、素晴らしい青空が広がった2泊3日。みんなの顔は日焼けで真っ赤っか。天候にも、施設にも、そして支援にも恵まれたキャンプでした。

このキャンプは、いつもの世田谷第5団のキャンプではありません。今夏の第17回日本ジャンボリー(17NJ)で一緒に隊を組む、世田谷第11団の皆さんとの混成隊で参加する訓練キャンプです。11団のキタキツネ班・ベンガルワシミミズク班と、5団のオットセイ班・カモメ班・トナカイ班、計5班で一緒になっての活動です。

控えめなスカウト

参加スカウトは、11団BS隊8名+ベンチャー隊2名に、5団BS隊14名を加えた24名です。本番ではこれに5団のベンチャー隊4名などが合流し、小学6年生から高校2年までスカウト総勢約30名。それをリーダー9名がサポートします。

他団のスカウトとがっつり同じ隊で動く。こんな体制で動くのは初めてで、何だか勝手も違うし、スカウトはためらいを乗り越えるのが最初大変そうでした。普段5団の中だけで閉じた活動をしている井の中の蛙たちは、ちょっとビビり気味。5団のスカウトがいつも以上に控え目に見え、実際11団のスカウトとの力の差を感じる場面もありました。

しかし、3日間を過ごすうちに5団のスカウト達にもまとまりが出てきました。いつものジャンボリーでは、スカウトは自分の団を離れて他団のスカウト達と混成班を組みます。でも今回は初の試みとして、普段の班をそのまま丸ごとジャンボリーに持っていきます。加えて、小学生が参加するのも初の試み。普段以上にグリーンバーの責任が重くなりますが、訓練キャンプを通しての彼らの成長にはとりあえず合格点! 新班長・次長おつかれさま!

支援リーダー

混成隊の隊長は、我らが5団の花俣氏。

率いるリーダーは、11団からはジェントルマンの安井氏(典型的な永遠のスカウト)と、亀梨くん似(諸説あり)の日比BS隊長。日比BS隊長は工作がうまく、常にロープワークをしている…寡黙な青年。そのほか、ローバー隊の中島くんは生真面目で愉快な好青年…。ビーバー隊からの応援で唯一女性の中島さんは、勉強熱心で気働きの人です。さらに、後方支援の鈴木団委員長も見守ってくださっています。

5団からは、いつもスカウトにやさしい保科潔BS副長。ローバー隊からは、遊ばせ上手の山根くん、火起こし神の神田くん、デジタル王子の大浦くんの3人が参加です(ちなみに長者の松谷くんは就活で不参加。清水くんは奉仕隊でスタッフ参加です)。

17NJ

本番は7泊10日ですが、今回はひとまず2泊。ガス・電気なしは当たり前ですが、屋根付き炊事場なし、水道なし(水は離れたところからポリタンクで汲んでくる)、蛇口なし、排水設備もなし(穴を掘る)という環境。40人が8日間をどのようにしたら暮らせるか!?の検証兼ねての訓練でもありました。

大きな御釜で飯を焚き、マンホールほどの鍋でカレーを煮るなど、普段のキャンプでもできない経験です。リーダーも見守るだけでなく、新しい仕事に挑戦する感じです。

花俣派遣隊隊長の、飯炊きのうまいこと! 釜とまきで炊いたご飯は本当に美味しい。

スカウトには班ごとで炊事当番が回ってきます。当番の時には全員分を作ることになります。いつもなら自分の班の5-6人前を作れば良いけど、今回は大量生産が必要。失敗してはならないと、責任も大きくなります。

新人スカウト

今回の訓練キャンプでは、初めてBS隊のキャンプに参加するスカウトが5人いました。カブ隊の舎営キャンプとはいろいろ勝手が違って、びっくりしたようです。前もって説明していてもなかなか足並み揃わず、荷物を3つも4つもメインザックにぶら下げてきたかと思えば、大きいお弁当箱には骨つきチキンと飾りのレタスがいっぱい。ハバザックとリュックで、大混雑の南武線では身動き取れず。帽子のツバは人に当たり叱られ、ひっちゃかめっちゃかな移動でスタートしました。

良き見本は河田くんです。荷物少なめ、スッキリリュック。詰め方(パッキング)も無駄がなく綺麗…聞くとお父さんと一緒に詰めたとか?(お父さんスカウト経験者)。さすがです。

新人にはまだ、周りを見る余力はなさそうなので、先輩スカウトが教えてくれるはず…です。今回の装備の不備もろもろは次回に改善してくれると思います。

1日目

ゴールデンウィークの人出の中、電車もバスも満杯です。大きい荷物の我々は邪魔者で、移動は大変。それでも八王子は近い方。

ひよどり山に着くと、すでに多くのスカウトが準備を始めていました。世田谷地区だけでも100名。東京都のスカウトはもっとたくさんいます。人の多さに少しビビりながらも、周りのキャンプサイトをチラ見するだけで、かまど回りや乾燥作業の手際など、大変勉強になります。合同キャンプの良さはそんなところにもあります。

* * *

設営の仕方にも、多くの学びがあります。キャンプ地に着いたらとにかくテントを立てて、まず、自分たちの住まいを作ります。班毎に1つの家型テントを、15分で立てられるようになるのが求められるスキルではありますが、1時間というひとまずの目標をクリアしたいものです。制服を汚すと困るので、上下着替えて、軍手を腰のポケットに入れて作業します。

家型テントは重くてなかなか手強いやつです。一つ一つ形を作り上げていきます。汗だくになりながらの大変な仕事ですが、何もないところに自分たちの家が建つのですから、希望あふれる作業とも言えます。形が出来上がってくるとワクワクします。

テントが完成し、その中に荷物を入れます。どこに寝るかを、たぶん力関係で決めたんでしょう。一番奥が班長で、新人が端っこになることが多いような気がします。

* * *

午後の3時からは各隊が揃い、結隊式かひらかれ、17NJにむけての意気が上がりました。スカウト達にも徐々に、「こりゃ、えらいことになった」という自覚(?)が芽生えてきたのではないでしょうか。

その後は、メンバーに配る名刺を作ったり、鬼ごっこや磁石ゲームををしてゆったり過ごせました。このまったり時間がBS隊の良さです。そこから、次の活動への準備や、考えを巡らせる余裕が生まれる気がします。この緩急を楽しむことが出来るようになると一人前かも。

初日の夕食は、リーダーによるインディカ米の無国籍料理。ネパールからの怪しげなゲストによる食べ方指導で、右手で直接食べるという突然の無茶振り。「無理?」・「えっ?」と叫び声があがる中、強行! 離乳食以来の手づかみ食べは刺激的。そして、ごはんと一緒に夕日の綺麗さと満月の素晴らしさも味わいました。

2日目

翌朝は晴天とはいえ、明け方は白い息が出るほど冷え込んで、とても寒かったという感想あり。快適寝袋とロールマットは必携です。

朝ごはんからは当番制。慣れないながらもチカラを合わせてみんなでいただきます。荷物を整理し、テントの中に風を通して、自分たちのテントを快適に保ちます。

* * *

午前中のイベントはロープワーク。棒の先に班旗をつけてできるだけ高く上げ、15秒持ちこたえるというゲームです。人数が少ないとか新人だとかという言い訳はなし。結果は、11団のキタキツネ班が4メートルくらいあげて、文句なしの優勝でした。

ロープワークで腕試しした後は、世田谷地区の他隊のベースを訪問して武者修行。スカウトスキルの向上のためのブース(歌・火起こし・ロープ遊びなど)をまわるという時間をすごしました。5団はあまり歌を歌わないので知らない曲が多く、カブとは違う少し難しい歌も練習しました。ボーイスカウトにはいい歌がいっぱいあって、皆で歌えばスカウトの意識づけになると感じました。やはり歌集は買って用意しておくべきですね。

最後の仕上げは火起こしコンテント。火起こし器と麻ひもで15分以内に火をつけるルールで実施され、熱い闘いが繰り広げられました。しかしどのチームも時間内に達成できずドロー。事前の取り決めにより、隊長のじゃんけんで1位を決定します。花俣派遣隊隊長のじゃんけんスキルをあげるため、じゃんけんを挑むスカウトが多発…そのお陰か、花俣派遣隊隊長が見事勝利! 1位を獲得しました。賞品はキンキンに冷えた炭酸ジュース。我ら混成隊は狂喜乱舞(ちょっと大げさ)。暑い日の夕暮れに、誠にうまいジュースをご馳走になりました。花俣派遣隊隊長ありがとう!

* * *

夕刻からは夕食のカレー作り。当番は珍しく全員揃ったカモメ班でした。先週炊事訓練でやったばかりなので、新班長畑崎くんのもと、再加入の青木くんも新人石井くんも、とにかく全員がテキパキと作業をこなしました。

しかし大鍋の火加減が上手くいかず、思いのほか仕上げに時間がかかり、結局7時の夕食となりました。洗い物をする頃にはとっぷり日が暮れるという、やや残念なタイムスケジュール。ミニキャンプファイヤーのスタンツの練習時間が取れず、オセオセになってしまいました。水のないところでカレーを洗うのは至難の技ゆえ、皿をラップで覆い、さらにビニール袋に入れるという念入りな対策でなんとか時間短縮をしたのですが…。

でも味の方は、いつものカモメのしゃぶしゃぶカレーとは違って美味しくできて、食事当番のカモメ班は意気揚々。いつもならひっそりしているカモメが頼もしく見えました。

* * *

キャンプファイヤーでは、11団のベンチャー君が楽しくエールマスターを演ってくれました。おなじみのアブラハムも登場しましたが、一番盛り上がったのは、11団BS隊長による「TOTO便器」という歌とダンス! ぜひこれは5団でもネタとして取り入れたい楽しい出し物でした。まあご推察の通り、うんちネタです。

盛り上がった後は、静かに星を見て感謝して終わるという、ボーイスカウトらしいエンディング。営火を通して、ジャンボリーがますます楽しみになってきました。それこそがこのキャンプの狙いでもあるわけです。

名残惜しい夜を過ごし、翌朝はもうさようなら??

3日目

最終日の朝礼で、山根くんと神田くんが正式に副長に任命されました。また、18歳の大浦くんは副長補に任命されました。今後の活躍が期待されます。

* * *

そして、制服から作業着に着替えて、いよいよ撤収作業(撤営)。

これまでも幾度となく強調してきましたが、この片付けこそが、実は真のボーイスカウト活動の価値です。片付けには根気がいります。この面倒に耐えてこそ、次の良き準備につながるのです。面倒くさいことを何よりも嫌い、避ける傾向のある現代っ子には特に意味があります。ヘラヘラしていては、いつまでたっても撤収作業は終わりません。大きい子は小さい子に指示を出し、小さい子は先輩の言葉から学びます。一人一人が最大限できることをやり、チカラを合わせて、重いテントを片付けます。大人でも重いのだから、子供なら尚更です。

なんでこんなに重くて面倒なテントを使うのか。反対する声も多いのですが、スカウトの精神力を鍛えるにはこのテントは欠かせません。簡単にたてられてしまうと、学びはそれだけ少なくなってしまいます。それに、スカウト同士か協力し合うチャンスも減ってしまうでしょう。

おまけに撤収作業には時間制限があります。班長は焦るし、下っ端は分からないから手が止まってしまう。協力し合ってこの溝を埋められる班は上手く片付きます。

現に、今回のオットセイ班4人と全員揃ったカモメ班6人は上手く切り抜けたようです。しかし、かわいそうだったのはトナカイ班。班長・次長・元班長の上の3人がいない。2年目の村山くんに新人の荏原くんと今林くんという極小メンバーの構成です。ローバーがかなり手伝ってくれて、なんとか時間に間に合わせました。わからないなりに休まず動いた新人。重荷を背負った村山くん。よく頑張りました。トナカイの上の3名は、次の活動で村山くんを労ってあげてね。

* * *

閉村式を終えて、日の丸を降納し、隊旗を収納して、無事にキャンプを終えました。

7月の結団式での再会を約束し、11団ともお別れ。キャンプはじめの頃はよそよそしい顔をしていたのが、お互いに手を振り合うような仲良しになって別れを惜しみました。本番が楽しみです。

帰りのバスはとんでもない混雑で、近隣の方に迷惑をかけながら、八王子駅へ到着。その後、立川から南武線で武蔵溝ノ口到着。保護者に目標と伝えた12時解散となりました。

このような形でのキャンプは初めてでした。リーダーも予測しなかったことが起こるので、キャンプを進めながら作戦を修正していきました。団毎に異なるカルチャーをすり合わせるために、人の話をよく聴いて、意見を交換し、共に歩むということを学びました。ボーイスカウト運動は、スカウトだけでなくリーダーにとっての生涯教育の場でもあります。活動を通して自分も成長させることが出来るのだと、あらためて感じました。

また、リーダーのこのような姿勢や感性は、スカウト達の成長の促進剤にもなっているのではないでしょうか。スカウトの道を良きものにするよう、リーダー自身も一緒になって常に活動の意味を考えることが大事だと思います。継続的関係性の中で、辛抱や努力や自己肯定感が培われるからです。単にアウトドアクラブとして存在するわけではないのですから。

嫌いなら逃げる、苦手なら避けるということをせず、困難に真摯に向き合うことが、人間形成に必要なことだと思います。そんな心磨きの場所を提供していきたいと、素直で健気に自分に悩む少年たちを見て思いました。

17NJという少し過酷な場をとびきり特別な経験にできるよう、5団全体で、保護者の方ももちろん含めて、準備を進めていきましょう。よろしくお願いいたします。

BS隊副長 神田

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News

世田谷第5団機関誌「さくら」4・5月合併号が公開されました.

↑2018年りふれっしゅ村鉢ヶ崎@石川県珠洲市で開催した「日本ジャンボリー(17NSJ)」現地報告を公開しました.

↑2017年長野県長者の森で開催した65周年キャンポリー紹介動画を公開しました.

↑2018年新潟県赤倉温泉で開催したBSスキー訓練2018紹介動画を公開しました.

を用意しました.

↑2012年山梨県四尾連湖で開催した60周年キャンポリー紹介動画を公開しました.

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